図書館情報学の「研究」について
2015年4月15日の図書館情報学研究入門の授業。佐藤翔先生が「図書館情報学研究のススメ(方)」の話をしてくれました。
その授業で一番印象に残っているのは、『「研究」とそれ以外を意識する』というところで、
図書館情報学の研究論文としては、日本図書館情報学会誌、Library and Information Science(慶応)、情報知識学会誌、図書館界の研究論文、これらについては研究論文であるけれども、図書館雑誌、現代の図書館、情報の科学と技術、カレントアウェアネスなど、原稿依頼をして、著者が自由に書いて、査読もされない(文章表現上のチェックを除く)論文は「研究」ではない。バックグラウンドの情報としては使うことができるが、学会発表や修士論文の書き方の参考にはならない。
と説明されたことです。
大学院に入るまで、図書館に関する論文が掲載された雑誌について「研究とそれ以外」を意識していませんでした。改めて研究論文と言われる論文を読んで見ると、なかなかとっつきにくいものが多いですし、現役の公共図書館員である私にとっては、それで?それが私たちの仕事の何の役に立つの?という感想がつい出てきてしまって、研究自体にあまり興味を持っていない自分にも気づきました。同志社大学に図書館情報学コースの大学院が出来ると聞いて、単純に勉強したいと思って受験したわけですが、大学院とは、教えてもらう場ではなく、自ら研究する場であるという当たり前のこともよく考えずに入ってしまったのです。自分は大学院に入るべきじゃなかったのではないかと考えるきっかけになった思い出深い授業です。