第6回 OpenGLAM JAPANシンポジウム参加報告

10月11日(日)、第6回 OpenGLAM JAPANシンポジウム「オープンガバメント・オープンデータの将来」が開催され、参加してきました。

第6回 OpenGLAM JAPANシンポジウム「オープンガバメント・オープンデータの将来」 #OpenGLAM - Togetterまとめもご参照ください。

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今回のイベントは、Web上の百科事典Wikipediaの母体となるウィキメディア財団の事務局長のライラ・トレティコフ氏が来日されることをきっかけに設定されたもので、翌日は「Wikimedia Tokyo meetup with Lila」というイベントも開催されました。私は一日目のみの参加です。

基調講演としてライラさんより、「ウィキメディア財団は何を目指しているのか」「ウィキメディアの図書館やオープンガバメントに関する取り組み」の紹介がありました。

日本は世界で2番目に利用が多く、ライラさんも翻訳ソフトを使って、日本版のページをよく閲覧しているそうです。様々な機関や取り組みに対するサポートや、世界のGLAM機関がWikipedia/WikimediaCommonsを活用していることについて紹介がありました。特に、ドイツの連邦公文書館が資料をアップロードし、たくさんのウィキペディアン(ウィキペディアの編集者)がメタデータを付与することによって、これまでは「ただ存在していた資料」が活用されるようになったという話題は質問も飛び交い、参加者の注目を集めました。

休憩をはさみ、この後は、以下のスピーチがありました。
・オープンガバメント/オープンデータの現在:平本健二氏
国立国会図書館の取り組み:国立国会図書館:橋詰 秋子氏
・DBpedia Japanese:国立情報学研究所 加藤文彦氏
ウィキペディアタウン―図書館員の実践として:
 京都府立図書館 是住久美子

ということで、私もウィキペディアタウンの取り組みについて発表させていただきました。当日のスライドはこちらです。

www.slideshare.net

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最後のディスカッションタイムでは、「日本ではNDC(日本十進分類法)がオープンデータとして公開されていない。このような専門家が作っているボキャブラリーを公開することについてウィキメディア財団ではどのような働きかけを行っているのか。」という質問が出て、「それが誰にとっても役立つはずのデータであれば、直接働きかけることをやっている。特に政治家に対し、オープンにすることの重要性を働きかけてほしい。」とライラさんが回答されました。

また、私の率直すぎる質問「日本の活動もウィキメディア財団からサポート(イベント開催する際のスタッフの交通費など)を受けられるのか」に対しては、ライラさんを含め、日本の参加者からもそういった助成制度がいくつかあるということを教えてもらいました。ただ、これについては、世界的に見ると貧しい国の為に財団のお金は使われるべきで、日本は独自で財源を確保すべきだとして、OpenGLAM Japanがスポンサーを獲得する必要性を強調する意見も出ました。

今回のシンポジウムを通じて、ウィキメディア財団の活動が身近に感じられ、各国の、特にGLAM機関がWikipediaとどう関わっているのか情報をキャッチしていきたいと思いました。あと、Wikisurceとか、私の知らない姉妹?プロジェクトのようなものが他にもたくさんあるようで、興味が惹かれました。

今回のイベントで印象的だったのは、ライラさんや財団のコミュニティ・アドボカシー・チームのヤンさんの通訳係として担当されたお二人の仕事っぷりで、講演時はライラさん達の言葉を逐次通訳して日本語で私たちに伝えて、日本人の発表の時は、Webの共有ファイル上に、発言内容を英語で(すごい速さで)入力してライラさんたちが参照するという、通常だったらとても二人ではこなせない作業量をすごいスピードでやっておられて、素晴らしかったです。

私もちょっとは英語できないといけないなぁと思いました。